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「広告費をかけているのに、問い合わせが増えない」——そう感じたことはないでしょうか。代理店にお願いしているものの、毎月送られてくるレポートを見ても何を改善すべきか分からず、かといって広告を止める決断もできない。そんな状態が続いている会社もあるでしょう。
こういう状況になると、代理店の変更を検討するケースもあります。ですが、代理店を変える前に確認しておくべきことがあります。それは、成果が出ない原因が「広告の運用そのもの」にあるのか、それとも「広告の前後にある設計」にあるのか、という切り分けです。この切り分けをせずに代理店だけを変えても、原因が広告運用以外にある場合、改善につながらない可能性があります。
この記事では、広告費が成果に結びついていない状態を、どんな基準で確認し、次に何を選べばいいかを整理します。読み終える頃には、自社がどこに手を打つべきか、判断の材料がそろっているはずです。
「広告が悪い」と決めつける前に
「広告費が無駄なのでは」と感じたとき、最初に思い浮かぶのは「代理店を変える」という選択肢かもしれません。ですが、成果が出ない原因を「広告そのものの問題」と決めつけてしまうと、実際には別のところに原因があった場合、代理店を変えても状況は変わりません。
広告費が成果に結びつかない原因は、大きく分けると二つあります。一つは、広告の運用そのもの(誰に、どんな広告を、いくらで届けているか)の問題です。もう一つは、広告を見た後の導線(ランディングページ、商品の見せ方、問い合わせへの誘導)の問題です。この二つは対処法がまったく違うため、どちらに原因があるかを先に確認する必要があります。

広告費が高い気がするので、代理店を変えようと思っています

変える前に、原因が広告側にあるのか、その先のページ側にあるのか切り分けた方がいいですよ
広告の指標そのものは悪いか
原因を切り分ける最初のステップは、広告の基本的な指標を確認することです。ここでいう指標とは、表示回数、クリック率、CPA(1件の問い合わせ・成約を得るためにかかった広告費)などです。
これらの指標が明らかに悪化している場合は、広告運用側の要因も確認する必要があります。一方で、表示回数もクリック率も悪くないのに問い合わせに結びついていない場合は、広告の先にある部分も確認対象に加える必要があります。
指標が悪い場合に疑うべきこと
クリック率が極端に低い、あるいは同じ予算で以前より表示回数が減っているといった場合は、ターゲティングや広告文・画像といった運用面の見直しが優先されます。
指標は悪くないのに成果が出ない場合に疑うべきこと
表示回数もクリック率も想定通りなのに問い合わせに繋がらない場合は、広告そのものではなく、広告をクリックした後のページや、そこから問い合わせに至るまでの導線に原因がある可能性が考えられます。ある広告代理店のコラムでは、成果が出ない原因は広告単体ではなく、その前後にある設計にあることが多いという指摘もあります。
たとえば、広告経由でサイトに来た人が多いのに問い合わせが少ない、という仮想例を考えてみます。この場合、広告からの流入自体は確保できていると考えられるため、ランディングページの内容や、問い合わせフォームまでの導線も確認対象に加える必要があります。原因がそちら側にある場合、代理店を変えるだけでは改善につながらない可能性があります。
広告代理店の手数料は、予算規模に見合っているか
原因が広告運用側にあると考えられる場合、次に確認したいのが手数料の妥当性です。ただし、手数料は金額の大小だけで判断できるものではありません。
広告運用代行の手数料は、広告費の20%前後を目安とする料金体系がよく見られます。ただし、これはある運用代行事業者が自社の料金体系として公開している情報であり、業界全体を保証する統計ではない点に注意が必要です。特徴的なのは、予算規模が小さいほど手数料率が高くなる傾向がある点です。同じ事業者の公開情報では、月20万円以下の広告費で25〜30%、月20〜50万円で20〜25%、月50〜200万円で18〜20%、月200万円以上で10〜18%という料金帯が示されており、月20万円以下では最低手数料として月5〜6万円程度が設定されているケースもあります。

手数料20%って、正直高い気がします

予算規模によって相場も変わるので、金額の大小だけで判断しない方がいいですよ
つまり、同じ「手数料20%」でも、広告費が月50万円の会社と月15万円の会社では、代理店にかけられる予算の絶対額が変わってきます。予算規模によって、代理店側の体制やかけられる工数も変わってくる可能性があります。
このため、「手数料が高いから代理店を変える」という判断をする前に、自社の予算規模に対して今の手数料率が一般的なレンジに収まっているかを確認することが、意味のある比較になります。
社内に広告運用を管理できる人はいるか
ここまでの内容を踏まえても、実はもう一つ見落とされがちな論点があります。それは、代理店を変えるにしても、自社で運用するにしても、その結果を判断できる人が社内にいるかどうかです。
これは、KeieiLabの別記事「Web担当者を採用する前に外注した方がいい中小企業の特徴」で扱った「外注先を管理できる人が社内にいるか」という論点と同じ構造です。広告運用も、依頼した後に成果を確認し、改善提案の妥当性を判断する役割が社内に必要です。この役割を担える人がいない場合、代理店の提案や改善結果の妥当性を判断しづらくなります。代理店を変えるか自社運用にするかを決める前に、社内の判断体制も確認しておくとよいでしょう。
【比較】広告費の悩みに対する4つの選択肢
ここまでの3つの確認(指標の良し悪し、手数料と予算規模のバランス、社内の管理体制)を踏まえると、取りうる選択肢は大きく4つに整理できます。

| 選択肢 | 向いている状況 | 必要な社内体制 | 費用の考え方 |
|---|---|---|---|
| 継続(改善を求める) | 指標は悪くないが、コミュニケーションやレポートの質に課題がある | 課題を具体的に指摘できる目 | 契約内容によっては追加費用が発生する場合がある |
| 乗り換え | 指標自体が明確に悪化している | 乗り換え先を評価できる知識、または相談できる第三者 | 初期費用が再度発生する場合がある |
| 内製化 | 予算規模が小さく手数料率が相対的に高い、かつ運用を担える人材がいる | 運用担当者、学習時間 | 手数料は不要だが人件費がかかる |
| 導線見直し | 指標は悪くないのに問い合わせに繋がっていない | LPやリード育成の課題を診断できる視点 | 広告費以外の追加投資が必要になる場合がある |
この表から分かるのは、「代理店を変えるか、自社でやるか」という二択ではなく、まず何が原因かを特定してから、それに合った選択肢を選ぶ必要があるということです。指標が悪いのに導線だけを見直しても改善しませんし、逆に指標は問題ないのに代理店を変えても状況は変わりません。
乗り換えを検討する場合、複数の代理店に個別に問い合わせて回るのは手間がかかります。リスティング運用代行会社の一括見積りサービスを使えば、条件を一度入力するだけで複数社にまとめて問い合わせでき、比較検討の負担を減らせます。![]()
自社で運用する場合にかかる費用
内製化を選択肢として検討する場合、費用面の比較も必要です。
Web広告運用者を1名自社で採用する場合、年収500〜700万円に社会保険料等を加えると、年間で600〜900万円程度かかるという試算が広告代行会社の情報として紹介されています。これはあくまで一般的な相場を機械的に合算した試算であり、実際の金額は募集条件や地域、経験年数によって変わります。
この金額と、現在支払っている代理店の手数料を比較することで、内製化が費用面で見合うかどうかを判断できます。ただし、費用だけでなく、運用開始までの学習期間や、片手間での運用にならないかという実務面も合わせて考える必要があります。
自社だけで判断が難しいと感じたら
ここまでの確認を自社だけで行うのが難しいと感じる場合もあるでしょう。特に、広告の指標が専門的で読み解きにくい、あるいは社内に相談できる相手がいないという状況では、外部の専門家に相談するという選択肢もあります。
判断そのものに迷っている段階であれば、まず相談してみるのも一つの方法です。
まとめ
広告費をかけても成果が出ないという問題に、「代理店を変えれば解決する」という単純な答えはありません。この記事で紹介した3つの確認——広告の指標そのものが悪いか、手数料が予算規模に見合っているか、社内に管理できる人がいるか——に自社を当てはめてみることが、遠回りに見えても判断材料を整理する近道になります。
指標が悪ければ広告運用側の見直しを、指標は悪くないのに成果が出ないなら導線側の見直しを検討するとよいでしょう。そして、どちらを選ぶ場合も、社内に判断できる担当者を決めておくことをおすすめします。まずは今の広告の指標を確認するところから始めてみてください。


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