専任のWeb担当者を置かず、社長自身がホームページの更新やちょっとした問い合わせ対応をしている中小企業もあるでしょう。ただ、何を更新すればいいのか毎回迷いながら、忙しい合間を縫って続けている、という状態になっていないでしょうか。
専任担当者がいないまま何年も更新が場当たり的になっていると、いつの間にか「とりあえず近況を載せておく」だけの更新が続き、本来の目的から離れてしまうこともあります。忙しい合間に更新する以上、じっくり考える時間を取りにくいのも実情でしょう。
「本当は専任の担当者を置くべきなのでは」と感じつつも、日々の業務に追われて手をつけられないまま、社長自身が更新を続けている、という会社は少なくないと考えられます。まずは、その状態自体をどう捉えればいいのかを整理するところから始めましょう。焦って結論を出す必要は、まったくありません。
この記事では、社長がWeb担当を兼務している会社が、まず何を見直せばいいかを整理します。

うちは社長の私がサイト更新してるんですが、何を書けばいいのか毎回悩んでしまって……

それ、社長が担当していることより、目的やターゲットが整理されていないことが原因かもしれません
「社長が担当していること」自体は問題ではない
「詳しい人に任せるべきでは」と感じるかもしれませんが、パソコンスキルだけを理由に担当者を選ぶと、かえってうまくいかないことがあると指摘されています。社長は、会社のこと・現場のこと・商品やサービスのことを理解しているという点で、少なくともホームページの企画や内容判断においては、Web担当として理にかなっている面があります。操作に慣れているかどうかより、何を伝えるべきかを判断できるかどうかの方が、実は重要な条件だと考えられます。「操作は苦手だが伝えたいことは明確」という状態と、「操作は得意だが何を伝えたいか分からない」という状態を比べると、前者の方がサイトの内容としては筋の通ったものになりやすいでしょう。
特に、業種特有の専門知識や、日々の商談で聞かれる質問の傾向など、現場に立っている人でなければ気づきにくい情報は少なくありません。こうした情報を反映できるかどうかは、パソコン操作の得意・不得意以上に、サイトの内容の質を左右すると考えられます。
外部のWeb担当者や制作会社に依頼する場合も、最初のヒアリングでこうした現場の情報をどこまで引き出せるかが、成果を左右する場合があります。その意味では、社長自身が担当することは、情報の伝達コストを省けるという利点にもなり得ます。ヒアリングに何度も時間を取られることなく、思いついたときにすぐ反映できるのも、兼務ならではの強みと言えるでしょう。
更新に迷う根本原因は「設計」にある
それでも更新のたびに何を書けばいいか迷ってしまう背景には、目的やターゲットなど、上流の設計が十分に整理されていないケースがあると考えられます。「どんな内容を更新すればいいのか分からない」状態は、設計段階からの見直しが必要なサインだと指摘されています。逆に、目的とターゲットさえはっきりしていれば、更新すべき内容は自然と絞り込まれてくるとも言えます。
逆に言えば、担当を交代させたとしても、目的やターゲットが整理されないままであれば、同じように更新に迷う状態が続く可能性があります。まず整理すべきは「誰が担当するか」ではなく「何のためのサイトか」という土台の部分だと考えられます。
実際、担当者を社長から専任のスタッフに交代させたものの、目的やターゲットの整理をしないまま引き継いだ結果、以前と同じように更新に迷ってしまう、という状況も起こり得ます。担当者の入れ替えだけでは解決しない問題があることを、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。
見直したい3つの観点
誰に、何を伝えたいか
更新内容に迷ったときは、まず「このサイトは誰に何を伝えるためのものか」に立ち返ることが出発点になります。想定する読み手が曖昧なままだと、あらゆる情報が「一応載せておくもの」になり、結果として何を優先すべきか判断できなくなりがちです。取引先向けなのか、新規の見込み客向けなのかによって、載せるべき内容も大きく変わってきます。
問い合わせにつながる内容かどうか
更新すること自体が目的化していないか、その更新が想定する読み手にとって役立つ内容になっているかを確認する視点も必要です。更新頻度そのものを目標にしてしまうと、内容が薄くなりやすい点にも注意が必要でしょう。「毎週更新している」ということ自体は成果ではなく、その更新が読み手にとって意味のある情報かどうかが本来の判断基準になります。問い合わせが増えない場合に確認すべき具体的なポイントは、ホームページの効果が出ない時に確認すべきアクセスとCVRで整理しています。
すべてを自分でやる必要があるかどうか
社長が担うとよいのは、会社・現場・商品の理解が必要な部分です。完成後のブログ更新やSNS連動といった作業は、パソコン操作に慣れた人が担う方がスムーズな場面もあります。すべてを自分一人で抱えている場合、まずどの作業なら人に任せられるかを書き出してみるところから始めるとよいでしょう。
ここまでの3つの観点を整理すると、次のようになります。どれも特別な準備は必要なく、今日からすぐにでも確認できる内容です。
| 見直したい観点 | 内容 |
|---|---|
| 誰に、何を伝えたいか | このサイトは誰に何を伝えるためのものかに立ち返る |
| 問い合わせにつながる内容か | 更新すること自体が目的化していないか確認する |
| すべてを自分でやる必要があるか | 完成後の更新作業は人に任せてもよい部分がある |

てっきり社長がやっているのが良くないのかと思ってました

いえ、むしろ社長は会社や商品をよく知っているので、Web担当として理にかなっている面がありますよ
すべてを社長がやる必要はない
社長が担うとよいのは、目的やターゲットの設計、伝えるべき内容の判断といった部分です。日々の更新作業まですべてを一人で抱える必要はなく、一部を切り分けることも選択肢になります。採用や外注への切り替えを検討する場合の判断基準は、Web担当者を採用する前に外注を検討した方がいい中小企業の特徴で扱っています。そもそも社内に詳しい人がいない状態から何を整理すべきかは、「Webに詳しい人がいない」中小企業の経営者が最初にすべきことも参考になります。
たとえば、目的とターゲットの設計は社長が担い、実際の更新作業やSNS投稿の一部を家族や社員に切り分ける、という分担も考えられます。すべてを自分で抱えることと、すべてを外部に任せることの間には、いくつもの分担のパターンがあります。
切り分ける際は、「何を伝えるか」の判断が必要な部分と、「どう表示するか」という作業的な部分を分けて考えると整理しやすくなります。前者は会社や商品への理解が求められるため社長が担い続け、後者は手順さえ共有できれば別の人に任せやすい、という違いがあります。この線引きを意識するだけでも、任せられる範囲が意外と広いことに気づく場合があります。
また、更新作業を切り分けたとしても、最終的にどんな内容を発信するかの方向性は、引き続き社長が確認する体制にしておくと、担当者が変わっても一貫性を保ちやすくなります。作業を任せることと、方向性の判断を手放すことは、分けて考えた方がよいでしょう。この2つを一緒くたにしてしまうと、任せた相手が方向性を見失い、結局サイトの内容がちぐはぐになってしまうこともあります。
自社だけで判断が難しい場合
目的やターゲットの整理、更新すべき内容の判断は、社内だけで進めようとすると難しく感じられる場合もあるでしょう。特に、社長自身が日々の業務で忙しい場合、腰を据えて目的から見直す時間を確保すること自体が難しく感じられることもあります。
このような場合、現状を一緒に整理するという意味で、外部の専門家に相談するという選択肢もあります。第三者の視点が入ることで、社内では気づきにくかった目的の曖昧さが見えてくることもあるでしょう。長年同じやり方で更新を続けていると、それが当たり前になってしまい、自分たちだけでは違和感に気づきにくくなることもあります。忙しさを理由に後回しにし続けるより、早い段階で一度立ち止まって整理する方が、結果的に時間の節約になることもあります。
まとめ
社長がWeb担当を兼務していること自体は、必ずしも問題ではありません。むしろ会社・現場・商品への理解という点で理にかなっている面があります。見直すべきなのは担当者そのものより、目的やターゲットという設計の部分だと考えられます。担当を交代させることばかりに気を取られず、まずは今のサイトの目的が明確になっているかどうかを確認することが、遠回りのようで実は一番の近道になるでしょう。
まずは、目的とターゲットが整理されているかどうかを見直すところから始めてみてください。小さな見直しの積み重ねこそが、更新への迷いを減らす一番の近道になるはずです。


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