AI開発会社を選ぶ際に確認すべきポイント

AI導入

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複数のAI開発会社から見積もりを取り、金額の差についても整理できた。しかし、いざ発注先を決めようとすると、どの会社も「実績多数」「高品質」とうたっていて、結局何を基準に選べばいいのか分からない——という段階に立つ会社もあるでしょう。ここで焦って決めてしまうと、契約後に想定と違う対応範囲だったと気づくこともあります。

特にAI開発は、完成物のイメージを事前につかみにくい分野でもあります。ホームページ制作のように過去の実績をそのまま見て判断しやすい発注とは異なり、「このAIがどこまでできるのか」を見積もりの段階で正確に把握するのは簡単ではありません。だからこそ、金額以外の基準を持っておくことが重要になります。

この記事では、発注先を選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。

3社から見積もりはもらったんですが、どこも「実績豊富」としか書いてなくて、決め手が分からなくて……

金額だけでなく、実績やその後の運用体制まで見ると、違いが見えてきますよ

見積もりを比較しても、決め手が分からない

見積もり額は、対応範囲や開発内容などの前提によって変わります。ただし、金額の前提を揃えたとしても、最終的にどの会社に依頼するかを決める基準は、また別に必要になります。同じ金額帯の見積もりが2社から出てきた場合でも、実績や体制まで見比べると、実は大きく条件が異なっていた、ということも起こり得ます。金額差が生じる理由については、別記事で詳しく整理しています。

見積書の内容が同じ条件で揃っていても、そこから先の「どの会社に任せるか」という判断は、金額だけでは決められません。むしろここからが、実際に自社に合った相手を見極める本番だといえます。

発注先にはいくつかのタイプがある

AI開発会社と一口に言っても、得意とする領域や向いているフェーズは会社によって異なります。課題の整理段階から伴走してくれる会社もあれば、作りたいものが明確な場合に強い会社もあります。発注先のタイプ分けについては、情報源によって分類の仕方が異なり、業界共通の唯一の分類があるわけではありません。自社が今どの段階にいるか(課題が曖昧なのか、作りたいものが見えているのか)を先に整理しておくと、どのタイプの会社が向いているか判断しやすくなります。発注前に自社で整理しておきたいことについては、別記事でも扱っています。

タイプ分けの呼び方は情報源によって異なりますが、「課題を一緒に整理してくれるか」「作りたいものが決まっている前提で開発を進めるタイプか」という大まかな違いを意識しておくだけでも、相談先を選ぶ際の目安になります。相談する前に自社の段階を整理しておくと、初回の商談でも的確な提案を引き出しやすくなります。

PoCだけ得意な会社と、本番運用まで任せられる会社があるんですね

はい。そこを確認しておかないと、PoCの後で困ることになりかねません

確認したい5つのポイント

自社と近い業種・領域での実績
自社と近い業種や領域での開発実績があるかを確認してください。似た業種での経験があると、業務特有の事情を踏まえた提案につながりやすいと考えられます。実績を確認する際は、件数の多さだけでなく、自社の課題と近い内容かどうかも見ておくとよいでしょう。「導入実績多数」という表現だけでは、その中に自社と近いケースが含まれているかは分かりません。可能であれば、具体的にどのような業務でどう使われているのか、事例の中身まで確認しておくと安心です。

PoCから本番運用までの一貫支援体制
小規模な検証(PoC)で終わらず、本番運用まで一貫して支援できる体制があるかを確認してください。PoCの成功と本番運用での成功は、必要なスキルセットが異なる場合があります。

セキュリティ・情報管理体制
自社のデータを扱う以上、情報管理の体制がどうなっているかを確認しておく必要があります。特に顧客情報や機密性の高いデータを扱う場合は、契約前にどこまでの管理体制が整っているかを確認しておくと安心です。

納品後の運用・保守体制
「作って終わり」にならないよう、納品後の運用・保守をどこまで支援してもらえるかを確認してください。運用開始後に不具合や改善要望が出てきた際、誰がどこまで対応してくれるのかを事前に把握しておくことが重要です。開発フェーズだけを請け負い、運用フェーズは別料金・別契約になる会社もあるため、契約の切れ目がどこにあるのかも確認しておくとよいでしょう。

見積もりの内訳の透明性
総額だけでなく、何にいくらかかっているのか、内訳が明示されているかを確認してください。内訳を確認しておくことで、何にいくらかかるのかを他社と比較しやすくなります。費用の考え方については、別記事でも整理しています。

この5つを一覧にすると、次のようになります。

確認ポイント見るべきこと
実績自社と近い業種・領域での開発実績があるか
PoC〜本番運用の一貫支援PoCだけでなく本番運用まで支援できる体制か
セキュリティ・情報管理自社データの管理体制がどうなっているか
運用・保守体制納品後の運用・保守をどこまで支援してもらえるか
見積もりの透明性総額だけでなく内訳が明示されているか

確認する際の聞き方

5つのポイントは、いずれも提案書や見積書を眺めているだけでは分かりにくいことがあります。商談の場で直接質問してみることで、初めて実態が見えてくることも少なくありません。

たとえば、「同業種での開発事例を教えてください」「PoCの後、本番運用まで担当していただけますか」「運用開始後、不具合が出た場合の対応範囲を教えてください」といった質問を、複数社に同じ形で投げかけてみると、回答の違いから各社の強み・弱みが見えやすくなります。同じ質問を複数社にすることで、回答の具体性や説明の丁寧さの違いも比較材料になります。

価格だけで決めることのリスク

価格だけで決めると、品質・保守・コミュニケーションなどの面で、後からミスマッチに気づく可能性があります。金額だけでなく、対応範囲や運用・保守が見積もりに含まれているかも確認してください。契約前に、見積もりに含まれる範囲と含まれない範囲を明確にしておくことが、こうした行き違いを防ぐ手段になります。

逆に、価格が高いからといって安心できるとも限りません。高額な見積もりであっても、内訳を確認すると、自社にとって不要な機能や体制まで含まれていることもあります。金額の高い・安いではなく、自社が必要とする範囲と見積もりの内容が一致しているかどうかで判断することが大切です。

自社だけで判断が難しい場合

5つのポイントを確認しようとしても、専門的な内容で判断がつかない場合もあるでしょう。特に、複数社の提案内容を横並びで比較しようとすると、専門用語の違いだけで実質的に同じ内容なのか、本当に対応範囲が異なるのか、見分けがつきにくいこともあります。社内に技術的な知見を持つ人がいない場合、提案書に書かれている内容の妥当性そのものを判断するのが難しく感じられることもあるでしょう。

このような場合、発注先の比較や選定を一緒に整理するという意味で、外部の専門家に相談するという選択肢もあります。第三者の視点が入ることで、各社の提案内容の違いが整理しやすくなることもあります。

また、そもそも候補探しの段階で時間がかかっている場合は、自社にピッタリなIT製品やシステム開発会社が見つかる【発注ナビ】のような紹介サービスを使い、まず候補を短期間で絞り込むという方法もあります。

まとめ

AI開発会社を選ぶ際は、発注先のタイプ分けに唯一の正解を求めるより、実績・PoC体制・セキュリティ・運用保守・費用の透明性という5つのポイントを確認することが、判断材料を整理する近道になります。金額の大小や「実績多数」という言葉だけに引っ張られず、自社の状況に照らして一つずつ確認していくことが、後悔の少ない選択につながります。

まずは、今比較している見積もりに、これら5つのポイントがどこまで含まれているかを確認するところから始めてみてください。

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